安全な水とトイレを世界中に
「6 安全な水とトイレを世界中に」について報告
MBSではジェンダーに関する調査をお手伝いしてきたので、SDGsアクションでもテーマにしたいと思って調べてみたところ、ジェンダー平等の中に女性の人権に関することは記述されているが、LBGTQ+についての記述はない。なぜなのか?
SDGsも含まれる「権利に関する国際的な取り決め」は、各国間の激しい交渉、妥協、議論のプロセスを経て採択されるため、国によっては、宗教や法律が絡むLGBTQ+については世界各国の共通項目として採択されにくい。
しかし、SDGsの基本理念は「誰も置き去りにしない(No one left behind)」というものなので、直接的な言及はされていないものの「誰も置き去りにしない」という全体目標の中に、当然、LGBTQ+の人々も含まれる。
典型的なマークのように思いますが、ジェンダーの視点からは問題がある
問題① 女性=赤 男性=青という色による性の決めつけ
問題② 女性=スカートという服装による性の決めつけ
TOTO株式会社の2018年 性的マイノリティのトイレ利用に関するアンケート調査結果より
■外出先トイレのストレス
トランスジェンダーの方が外出先のトイレでストレスに感じること。
・トイレに入る際の周囲の視線
・トイレに入る際の周囲からの注意や指摘
・男女別トイレしかなく、選択に困ること」
■トランスジェンダーが生物学的性(身体の性)で割り当てられたトイレに、違和感を感じた時期
10歳~15歳から違和感を感じていた人が多い。→学校のトイレにも違和感を感じていたと思う
早稲田大学
引用:早稲田大学 公式サイトUD(ユニバーサルデザイン)マップ
https://www.waseda.jp/inst/diversity/support/accessibility-map/
先進国であっても、日本国内でも
まだまだトイレは安全な場所とは言い切れない。
大切なのは、
・外見で人を判断しないこと。
・自分の中の無意識の偏見に気がつくこと。
・当事者の声を知ること。
●普段考えたりしないテーマだったので興味深かった。
自分ではなかなかマークを考えられなかったけれど、例を見るとなるほどと思った。
●トイレのマークの色は無彩色や中性色を使っていて、色にも配慮が必要なんだなと思い、仕事にも活かそうと思った。
●トイレを探す時に、女性用の赤のマーク、男性用の青のマークで探してしまうので、無彩色だとなかなか見つけられないということもある。
●現実的にどれくらい配慮したトイレを作れるのかわからないけれど、知るということが大事で、知って考えていけば、いつかは解決策を見つけられるかもしれない。
●昨年、渋谷の公衆トイレで女性用トイレがないトイレができたが、それでは、女性は怖くて使えない。
女性にとっての安全も確保してほしいし、全部の人に配慮というのは難しいのではないか。
●男性用トイレと女性用トイレが分かれている環境で育ってきたので、そういうことに傷つく人がいるというのは、知らなかった。ただし、自分が生理の時などに男性と共用のトイレを使用するというのは抵抗がある。
●いろいろ難しい問題だけれど、自分が選択する時に、色々な選択肢があると良いと思う。
<出た意見に対して補足>
●トイレのジェンダーフリー化については、性犯罪を予防する観点から反対意見が出ることがあります。
しかし、本来、ジェンダーフリーと性犯罪の予防は、別々の課題です。
誰かの安全を守るために、他の誰かに日々苦痛を強いてもしょうがないということは決してありません。
例えば、アメリカの大学で教鞭をとる友人の話では、最近、1個の個室タイプではなく、複数の個室が並ぶジェンダーフリーのトイレが設置されました。扉を開けると片面に手洗い、もう片面に個室がズラッと並んでいるので、手洗いでは男性と女性が並ぶこともあります。
性犯罪への対応はどうしているのか尋ねると、各個室の扉の下部は大きく空いているので、複数人で個室に入っていたら、すぐ分かるようになっているとのことでした。また、アメリカでは性犯罪者は、犯罪歴と居場所が公開されてしまうため、教師も学生も誤解される行動をとらないように慎重になっているそうです。
また、その大学でも共用のトイレを使用することに抵抗がある人もいるが、フロアの広さは限りがあるので、女性専用、男性専用のトイレが設置されている階と、ジェンダーフリーのトイレが設置されている階があるとのことでした。
ジェンダーフリーに対応することと、性犯罪を予防するここと、どちらも必ず取り組むべき課題として、解決策を考えていくことが大切だと思います。
文責:第1・2ソリューションチーム I.S